疑いスコアを下げることが目的になると、文章は壊れる
AI作成の疑いスコアを下げようとして文を崩すと、肝心の評価で損をします。スコアと文章の質が食い違う場面と、スコアに対する合理的な向き合い方を整理しました。
判定結果を受け取ったあとによく起きることがあります。スコアを下げようとして文を変えはじめるのです。文末をわざとばらし、誤字を残し、文を不自然にねじる。
スコアは実際に下がります。そして文章は悪くなります。この二つが同時に起きるのが問題です。
スコアと文章の質が食い違う区間
判定ツールが見ているのは文体の統計的な特徴です。予測しにくく、ばらつきが大きいほど、人が書いた文章に分類されます。
ところが「予測しにくい文章」と「良い文章」は同じものではありません。重なる範囲が広いというだけです。
| 手を加える内容 | スコア | 文章の質 |
|---|---|---|
| 自分の経験と具体的な事実を入れる | 下がる | 上がる |
| 文の長さに変化をつける | 下がる | 上がる |
| ありきたりな補足を削る | 下がる | 上がる |
| 誤字をわざと残す | 下がる | 下がる |
| 文末をでたらめに混ぜる | 下がる | 下がる |
| 文を不自然にねじる | 下がる | 大きく下がる |
| 関係のない語を差し込む | 下がる | 大きく下がる |
上の三行と下の四行で分かれます。同じ目標に向かっているのに、結果は正反対です。
実際に損が出るところ
スコアを下げようとする小細工が危ういのは、スコアを見る人よりも文章を読む人のほうがはるかに多いからです。
- エントリーシート・志望理由書:ぎこちない文はそれ自体が減点です。判定スコアを見る採用担当者より、文章を読む担当者のほうが圧倒的に多いのです
- 論文:学術文体を崩せば審査で指摘されます
- 報告書:読みにくい報告書は、ただの悪い報告書です
- ゼミ・卒論の原稿:文がおかしければ書き直しを求められます
スコアを数%稼いで、実際の評価を失う取引です。
スコアをどう見ればいいか
AI作成の疑いは判定ではなく信号です。そして信号は方向を教えてくれるだけで、大きさにはそれほど意味がありません。
実用的な基準を提案すると、こうなります。
全体スコアは一度見て通り過ぎてください。 80%でも40%でも、それ自体でやることが決まるわけではありません。
表示された箇所だけ開いてください。 文単位の表示こそが実際に役立つ情報です。
表示された文について、一つだけ問いかけてください。 ここに自分の判断や具体的な事実があるか?
- ない → 埋めます。スコアも下がり、文章も良くなります
- あるのに表示された → そのままにしてください。形式が決まっている文章か、もともと文体が端正なだけです
この基準を使うと、スコアを目標にしないまま、結果としてスコアが下がります。 順序が大事です。
「それでも引っかかったら?」
現実的な心配です。二つだけお伝えします。
一つめ。どんなスコアも単独の証拠にはなりません。 判定結果は参考のためのAI作成の疑いであって、書き手を特定するものではありません。この事実は、確認する側でも次第に認識されつつあります。
二つめ。実際の確認はたいてい内容への質問で行われます。 「ここはなぜこう書いたのですか」に答えられれば、たいていは収まります。そしてこの質問に答える力は、スコアを下げる作業ではまったく育ちません。
ですから準備の方向が違ってきます。スコアを管理するのではなく、過程を残し、内容を説明できるようにしておくこと。 詳しい方法はAIで書いたのではと疑われたとき、どう説明すればいいかにまとめました。
ツールを置くべき位置
AI判定ツールは提出前の点検道具です。どこかを通過できるかを予測する道具ではありませんし、そう使うと食い違います。
AI言い換えツールも同じです。スコアを下げる機械として使えばぎこちない文が出てきますが、文のリズムを整える補助として使えば役に立ちます。出てきた結果をそのまま提出せず、必ず一度読み返してください。
自分で書いた文章がなぜ高く出るのかは自分で書いたのにAIを疑われる理由で扱いました。多くの場合、スコアが高いのは細工すべき問題ではなく、理解すべき問題です。